HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、免疫細胞(CD4リンパ球)を破壊するウイルスで、感染すると体の抵抗力が低下します。
放置すると、免疫が極端に弱まりエイズ(AIDS:後天性免疫不全症候群)を発症することがあります。現在は、抗HIV薬(ART)によってウイルスの増殖を抑え、健康な生活を続けることが可能です。
感染の心当たりがある場合は、早期の検査と治療が大切です。
出典:HIV(国立感染症研究所)より
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、血液・精液・膣分泌液などに含まれるウイルスが体内に入ることで感染します。
性器(膣・陰茎・尿道)・咽頭(のど)・肛門(直腸)・血管・皮下組織・胎盤・産道・乳腺
HIVは皮膚の表面からは感染せず、粘膜や傷口などウイルスが直接血液中に入る環境でのみ感染します。
感染後2〜4週間ほどで、一時的に発熱・のどの痛み・発疹・倦怠感など、風邪に似た「急性期症状」が出ることがありますが、数日〜数週間で自然におさまります。
その後は無症状のままウイルスが体内で増殖し、免疫力を少しずつ低下させていく潜伏期(無症候期)に入ります。
男性にみられる症状
※HIVは初期症状が軽く、風邪や疲労と区別しにくいのが特徴です。
女性にみられる症状
※これらの症状は一時的で自然に消えることが多いですが、HIVはその後も体内でゆっくりと免疫を破壊し続けます。
その他の症状
口内炎・口角炎・カンジダ症の再発、慢性的な下痢・体重減少、発疹や皮膚トラブル、日和見感染(免疫低下による二次感染)
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)を放置すると、ウイルスが免疫細胞(CD4陽性リンパ球)を破壊し続け、体の抵抗力が徐々に低下します。
その結果、風邪や口内炎などの軽い感染症が治りにくくなり、数年〜10年ほどで後天性免疫不全症候群(エイズ:AIDS)を発症することがあります。
エイズを発症すると、通常では感染しない弱い菌やウイルス(日和見感染)によって、肺炎・脳炎・視力障害など命に関わる合併症を引き起こす危険があります。
また、ウイルス量が高い状態が続くため、性行為などで他者へ感染させるリスクも高まります。
女性が未治療のまま妊娠・出産すると母子感染(先天感染)を起こすことがありますが、早期に治療を行えば感染を防ぐことができます。
HIVは早期に発見し治療を始めれば健康な生活を維持できるため、放置せずに早めの検査と治療を受けることが重要です。
HIV感染から2〜8週間ほど経過すると検査で検出可能になります。
感染から3〜8週間経過後に検査を受けることが推奨され、結果が陰性でも早期検査の場合は1〜2か月後に再検査を行うとより確実です。
ウィンドウ期とは
ウィンドウ期(window period)とは、感染から実際に検査で陽性と判定できるまでの期間を指します。この期間は、体内でウイルスや細菌が増殖したり、抗体や抗原が検出できるレベルまで達するまでに必要な時間です。ウィンドウ期の間は、実際には感染していても検査結果が陰性になる可能性があります(偽陰性)。
このため、感染の可能性がある日から一定期間が経過していないと、検査の精度が低くなります。早期検査で陰性でも、安心してはいけないケースがあるため、期間を開けての再検査が推奨されます。
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の治療は、抗HIV療法(ART)を継続することで健康を維持できる感染症です。治療を始めたあとも、良好な状態を保つためには服薬の継続・定期検査・感染予防の3つが大切です。
毎日決められた時間に服薬を続ける、定期的な通院と血液検査、他の感染症の予防、他人への感染防止
診療内容 | 詳細 | 料金 |
---|---|---|
尿検査 | クラミジア・淋菌 | 7,700円 |
マイコプラズマ・ ウレアプラズマ |
11,000円 | |
トリコモナス | 8,800円 | |
一般細菌培養・同定 | 11,000円 | |
咽頭検査 | クラミジア・淋菌 | 7,700円 |
マイコプラズマ・ ウレアプラズマ |
11,000円 | |
血液検査 | HIV・梅毒・B型肝炎・C型肝炎 (4項目) |
14,600円 |
単純ヘルペス 抗体検査 |
11,000円 | |
性病検査 セット (6項目) |
クラミジア・淋菌(尿検査)・HIV・ 梅毒・B型肝炎・C型肝炎(血液検査) |
19,800円 |
性病検査 セット (8項目) |
クラミジア・淋菌(尿・咽頭検査)・HIV・ 梅毒・B型肝炎・C型肝炎(血液検査) |
24,200円 |
スワブ検査 | 一般細菌培養・同定 | 11,000円 |
内服薬 | 5,500〜9,900円 | |
注射 | 11,000円 | |
尖圭コンジローム 除去 |
88,000〜 175,000円 (範囲・大きさにより異ります) |
|
診察料 | 5,500円 |
性病(性感染症)は、正しい知識と予防策を実践することでリスクを大きく減らすことができます。
ここでは代表的な3つの予防法について解説します。
コンドームは性病予防において最も基本的かつ効果的な方法です。性行為の最初から最後まで正しく装着することで、HIVやクラミジア、淋菌など多くの性感染症の感染リスクを大幅に減らすことができます。
ただし、完全に感染を防げるわけではなく、皮膚や粘膜が接触する部位(性器周囲、肛門、口腔など)から感染する可能性もあるため、過信は禁物です。
パートナーの数が多いほど、性病に感染するリスクは高まります。信頼できる相手との関係を大切にし、不特定多数との関係を避けることは予防に直結します。特に、相手の感染歴や検査状況が不明な場合は注意が必要です。
安全なパートナーシップの構築は、自分自身だけでなく大切な人を守ることにもつながります。
PrEP(プレップ)は、HIVへの感染リスクが高い人が、あらかじめ抗HIV薬(主にテノホビル+エムトリシタビン)を服用することで感染を防ぐ方法です。 感染治療にも使われる薬を少量・継続的に服用することで、ウイルスが体内に侵入しても増殖できない状態を作り、性行為による感染リスクを90%以上減らす効果があると報告されています。 服用方法には毎日1錠を飲む「デイリーPrEP」(最も推奨)と、性行為の前後に服用する「オンデマンドPrEP」があります。 開始前にはHIV検査・腎機能検査・B型肝炎などの検査が必要で、使用中も3か月ごとの定期検査が推奨されています。 PrEPはHIVに対して高い予防効果がありますが、他の性病(梅毒・クラミジアなど)には効果がないため、コンドームの併用と定期検査が重要です。 適切に使用すれば、PrEPは自分とパートナーを守るための有効なHIV予防法です。【当院はPrEPの取り扱いはありません】
性病は初期には無症状のことも多く、自覚のないまま感染が広がるケースも少なくありません。自分やパートナーを守るためにも、定期的な検査を受けることが重要です。特に新しいパートナーとの関係が始まったときや、不安を感じたときには早めの検査をおすすめします。検査は医療機関で簡単に受けることができ、早期発見・早期治療につながります。
HIV検査はどのように行うのですか?
HIVの検査は血液検査で行います。血液中の「HIV抗体」や「p24抗原」を調べることで、感染の有無を判定します。
感染してからどのくらいで検査でわかりますか?
感染直後はウイルスや抗体が少ないため、すぐには陽性反応が出ません。一般的には感染から2〜8週間後に検査で検出できるようになります。
検査結果が陽性だった場合はどうなりますか?
検査で陽性が出た場合は、確認検査(ウエスタンブロット法やPCR検査)を行って確定診断します。当院から専門の医療機関にご紹介となります。
検査を受けたことは他人に知られますか?
HIV検査は匿名・自費検査にも対応しており、個人情報は厳重に守られます。医療機関から職場や家族へ通知されることはありません。プライバシーを重視した環境で、安心して検査を受けることができます。
他の性病も同時に検査できますか?
可能です。淋菌・梅毒・HIVなどのセット検査もあります。
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