梅毒(ばいどく)は、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)という細菌によって起こる性感染症です。
性行為やオーラルセックスなどで感染し、初期には痛みの少ないしこりや発疹が現れます。
放置すると、全身の皮膚・神経・臓器に広がることもありますが、血液検査で早期に発見・治療することで完治が可能です。
出典:梅毒トレポネーマ(JIHS 国立健康危機管理機構)より
梅毒は、主に膣性交・オーラルセックス・アナルセックスなどの性行為を通じて、皮膚や粘膜の小さな傷から感染します。口やのどに病変がある場合にはディープキスや口腔接触でも感染することがあります。
性器・肛門・口唇・舌・のど(咽頭)・手指や口の中など、病変との直接接触部位
感染から発症までの期間は1~3週間程度。
しかし、症状がないまま感染を広げるケースが非常に多いことが特徴です。
男性にみられる症状
女性にみられる症状
その他の症状
発熱やだるさ、のどの痛みなど風邪に似た症状のほか、口内のただれ、頭髪の脱毛(梅毒性脱毛)が起こることもあります。 治療せずに放置すると数年後に脳や神経、心臓、血管などに障害を起こす「神経梅毒」「心血管梅毒」へ進行することもあります。
男性:神経や心臓・血管への障害(神経梅毒・心血管梅毒)、視力障害やしびれ、記憶障害などの重い後遺症
女性:無症状のまま進行しやすく、全身の発疹やおりものの異常、不正出血などが出ることがあります。
母子感染:胎児への感染(先天梅毒)
梅毒に感染してから、2〜4週間ほど経過すると血液検査で検出できるようになります。
感染初期は抗体がまだ十分に作られていないため、検査を早く受けすぎると陰性(見逃し)になることがあります。
感染の心当たりがある場合は、3〜4週間以上経ってからの検査が推奨されます。
血液検査にはRPR法(定量検査)とTP抗体法(感染確認検査)の2種類があり、これらを組み合わせることで現在感染しているか、過去の感染かを判断することが可能です。
ウィンドウ期とは
ウィンドウ期(window period)とは、感染から実際に検査で陽性と判定できるまでの期間を指します。この期間は、体内でウイルスや細菌が増殖したり、抗体や抗原が検出できるレベルまで達するまでに必要な時間です。ウィンドウ期の間は、実際には感染していても検査結果が陰性になる可能性があります(偽陰性)。
このため、感染の可能性がある日から一定期間が経過していないと、検査の精度が低くなります。早期検査で陰性でも、安心してはいけないケースがあるため、期間を開けての再検査が推奨されます。
梅毒(ばいどく)は抗菌薬治療で完治が可能ですが、治療後も注意が必要です。
治療が終わっても体内に抗体が残るため、3か月・6か月・12か月後に再検査を受けて抗体値の低下を確認し、治癒の確認を行います。
梅毒は性行為で感染する疾患のため、治療が終わるまでは性行為を控えることが大切です。自分だけが治療してもパートナーが未治療のままだと再感染(ピンポン感染)の原因となるため、パートナーも検査・治療を受けることが重要です。
診療内容 | 詳細 | 料金 |
---|---|---|
尿検査 | クラミジア・淋菌 | 7,700円 |
マイコプラズマ・ ウレアプラズマ |
11,000円 | |
トリコモナス | 8,800円 | |
一般細菌培養・同定 | 11,000円 | |
咽頭検査 | クラミジア・淋菌 | 7,700円 |
マイコプラズマ・ ウレアプラズマ |
11,000円 | |
血液検査 | HIV・梅毒・B型肝炎・C型肝炎 (4項目) |
14,600円 |
単純ヘルペス 抗体検査 |
11,000円 | |
性病検査 セット (6項目) |
クラミジア・淋菌(尿検査)・HIV・ 梅毒・B型肝炎・C型肝炎(血液検査) |
19,800円 |
性病検査 セット (8項目) |
クラミジア・淋菌(尿・咽頭検査)・HIV・ 梅毒・B型肝炎・C型肝炎(血液検査) |
24,200円 |
スワブ検査 | 一般細菌培養・同定 | 11,000円 |
内服薬 | 5,500〜9,900円 | |
注射 | 11,000円 | |
尖圭コンジローム 除去 |
88,000〜 175,000円 (範囲・大きさにより異ります) |
|
診察料 | 5,500円 |
性病(性感染症)は、正しい知識と予防策を実践することでリスクを大きく減らすことができます。
ここでは代表的な3つの予防法について解説します。
コンドームは性病予防において最も基本的かつ効果的な方法です。性行為の最初から最後まで正しく装着することで、HIVやクラミジア、淋菌など多くの性感染症の感染リスクを大幅に減らすことができます。
ただし、完全に感染を防げるわけではなく、皮膚や粘膜が接触する部位(性器周囲、肛門、口腔など)から感染する可能性もあるため、過信は禁物です。
パートナーの数が多いほど、性病に感染するリスクは高まります。信頼できる相手との関係を大切にし、不特定多数との関係を避けることは予防に直結します。特に、相手の感染歴や検査状況が不明な場合は注意が必要です。
安全なパートナーシップの構築は、自分自身だけでなく大切な人を守ることにもつながります。
性病は初期には無症状のことも多く、自覚のないまま感染が広がるケースも少なくありません。自分やパートナーを守るためにも、定期的な検査を受けることが重要です。特に新しいパートナーとの関係が始まったときや、不安を感じたときには早めの検査をおすすめします。検査は医療機関で簡単に受けることができ、早期発見・早期治療につながります。
梅毒の検査はどのように行いますか?
梅毒の検査は血液検査で行います。少量の採血で、血液中の抗体(梅毒トレポネーマに対する反応)を調べることで感染の有無がわかります。検査は短時間で終了し、結果は数日〜1週間程度で判明します。
どのくらいで感染が検出できますか?
感染してすぐは検査で反応が出ないことがあります。一般的には、感染から2〜4週間ほど経過すると血液検査で検出可能になります。 感染の心当たりがある場合は、3〜4週間以降の検査がおすすめです。
どんな検査項目がありますか?
主に次の2種類を組み合わせて行います。
RPR法(定量検査):現在感染しているか、活動性を確認する検査。
TP抗体法(感染確認検査):過去に感染したことがあるかを確認する検査。
この2つを併用することで、現在の感染か、過去の既感染かを区別できます。
結果が「陽性」と言われたらどうすればいいですか?
陽性の場合は、抗菌薬治療が必要です。早期に治療を開始すれば、後遺症なく完治が可能です。また、パートナーの検査・治療も同時に行うことが重要です。
陰性でも安心して大丈夫ですか?
感染初期(感染直後〜2週間以内)は抗体がまだ作られていないため、陰性でも感染している可能性があります。 心当たりがある場合は、数週間後に再検査を受けることをおすすめします。
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