トリコモナス感染症は、腟トリコモナス(Trichomonas vaginalis)という原虫によって起こる性感染症です。 主に性行為による粘膜接触で感染し、女性ではおりものの増加・かゆみ・腟の炎症などの症状が現れます。 男性は無症状のことが多いものの、尿道炎や排尿時の違和感を引き起こす場合があります。 放置すると炎症が長引き、不妊や妊娠合併症の原因となることがあるため、早期の検査と治療が重要です。
出典:トリコモナス(アメリカ疾病予防管理センター)より
トリコモナス感染症は、主に性行為(膣性交・オーラルセックスなど)による粘膜接触や下着・タオルの共用による接触感染でうつります。
女性では膣・子宮頸管、男性では尿道・前立腺
おおよそ3日〜3週間程度(平均7日ほど)です。
感染してから症状が現れるまでに個人差があり、特に男性は無症状のまま経過することが多いのが特徴です。
男性にみられる症状
※男性は自覚症状が軽く、自然治癒しにくいため、放置するとパートナーへの感染源になることがあります。
女性にみられる症状
※女性はホルモン変化や腟内環境の乱れにより、症状が強く出やすい傾向があります。
その他の症状
咽頭の違和感・痛み、肛門・直腸の炎症、妊娠への影響(流産・早産)、不妊や骨盤内炎症性疾患(PID)
男性:尿道炎が慢性化すると、前立腺炎・精巣上体炎を起こし、排尿痛や下腹部痛、精子の質低下を招くことがあります。
女性:感染が腟から子宮頸管、子宮内膜、卵管へと進行すると、子宮頸管炎や骨盤内炎症性疾患(PID)を発症し、
その結果、卵管の癒着・閉塞による不妊症や子宮外妊娠の原因になることがあります。
また、妊娠中の感染では流産・早産・低出生体重児のリスクが高まります。
一般的には、感染後約3日〜3週間程度で検査による検出が可能になります。
感染してすぐ(1〜2日以内)では、原虫の数が少なく検出できないことがあります。
ウィンドウ期とは
ウィンドウ期(window period)とは、感染から実際に検査で陽性と判定できるまでの期間を指します。この期間は、体内でウイルスや細菌が増殖したり、抗体や抗原が検出できるレベルまで達するまでに必要な時間です。ウィンドウ期の間は、実際には感染していても検査結果が陰性になる可能性があります(偽陰性)。
このため、感染の可能性がある日から一定期間が経過していないと、検査の精度が低くなります。早期検査で陰性でも、安心してはいけないケースがあるため、期間を開けての再検査が推奨されます。
トリコモナス感染症の治療後は、再感染防止と確実な治癒確認が重要です。 治療中および治療後48時間は、メトロニダゾールやティニダゾールとアルコールを併用する吐き気・動悸・顔面紅潮などの副作用を起こすおそれがあるため、 飲酒を控える必要があります。治療後に原虫が残っている場合もあるため、陰性が確認されるまで性行為を避け、パートナーも無症状であっても同時に治療を受けることが大切です。 治療終了から1〜2週間後に再検査(顕微鏡またはPCR検査)を行い、原虫が完全に消失したことを確認します。 加えて、トリコモナスは湿った環境で短時間生存できるため、下着やタオルの共用を避け、清潔な状態を保つことも重要です。 これらの対策を守ることで、再発や再感染を防ぎ、確実な完治につながります。
診療内容 | 詳細 | 料金 |
---|---|---|
尿検査 | クラミジア・淋菌 | 7,700円 |
マイコプラズマ・ ウレアプラズマ |
11,000円 | |
トリコモナス | 8,800円 | |
一般細菌培養・同定 | 11,000円 | |
咽頭検査 | クラミジア・淋菌 | 7,700円 |
マイコプラズマ・ ウレアプラズマ |
11,000円 | |
血液検査 | HIV・梅毒・B型肝炎・C型肝炎 (4項目) |
14,600円 |
単純ヘルペス 抗体検査 |
11,000円 | |
性病検査 セット (6項目) |
クラミジア・淋菌(尿検査)・HIV・ 梅毒・B型肝炎・C型肝炎(血液検査) |
19,800円 |
性病検査 セット (8項目) |
クラミジア・淋菌(尿・咽頭検査)・HIV・ 梅毒・B型肝炎・C型肝炎(血液検査) |
24,200円 |
スワブ検査 | 一般細菌培養・同定 | 11,000円 |
内服薬 | 5,500〜9,900円 | |
注射 | 11,000円 | |
尖圭コンジローム 除去 |
88,000〜 175,000円 (範囲・大きさにより異ります) |
|
診察料 | 5,500円 |
性病(性感染症)は、正しい知識と予防策を実践することでリスクを大きく減らすことができます。
ここでは代表的な3つの予防法について解説します。
コンドームは性病予防において最も基本的かつ効果的な方法です。性行為の最初から最後まで正しく装着することで、HIVやクラミジア、淋菌など多くの性感染症の感染リスクを大幅に減らすことができます。
ただし、完全に感染を防げるわけではなく、皮膚や粘膜が接触する部位(性器周囲、肛門、口腔など)から感染する可能性もあるため、過信は禁物です。
パートナーの数が多いほど、性病に感染するリスクは高まります。信頼できる相手との関係を大切にし、不特定多数との関係を避けることは予防に直結します。特に、相手の感染歴や検査状況が不明な場合は注意が必要です。
安全なパートナーシップの構築は、自分自身だけでなく大切な人を守ることにもつながります。
性病は初期には無症状のことも多く、自覚のないまま感染が広がるケースも少なくありません。自分やパートナーを守るためにも、定期的な検査を受けることが重要です。特に新しいパートナーとの関係が始まったときや、不安を感じたときには早めの検査をおすすめします。検査は医療機関で簡単に受けることができ、早期発見・早期治療につながります。
トリコモナスはどのように感染しますか?
主な感染経路は性行為(膣性交・オーラル・肛門性交)による粘膜接触です。 また、トリコモナス原虫は湿った環境で短時間生存できるため、下着・タオル・浴槽などの共用による接触感染もまれに起こります。
どんな症状が出ますか?
女性では泡立った黄色〜黄緑色のおりもの、強いかゆみ、悪臭、排尿時痛が主な症状です。 男性は排尿時の違和感や軽い尿道の痛みなど軽症のことが多く、無症状で気づかないまま感染を広げることもあります。
検査はどのように行いますか?
腟分泌液や尿などを採取して、顕微鏡検査・培養検査・PCR検査でトリコモナス原虫の有無を確認します。 PCR検査は最も精度が高く、少量の原虫でも検出可能です。
治療すれば完全に治りますか?
はい。メトロニダゾールやティニダゾールといった抗原虫薬の内服で完治が可能です。 ただし、パートナーも同時に治療しないと再感染(ピンポン感染)を起こすことがあるため、必ず一緒に受けることが大切です。
放置するとどうなりますか?
放置すると感染が子宮や卵管、前立腺などに広がり、不妊症や骨盤内炎症性疾患(PID)、妊婦では早産・流産の原因になることがあります。 また、炎症が続くことでHIVなど他の性感染症への感染リスクも上昇します。
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